本名と芸名の読み方・表記の違い
城田優さんの本名は「ユウ・シロタ・フェルナンデス」です。スペイン語表記ではYu Shirota Fernándezとなり、父方の姓がシロタ、母方の姓がフェルナンデスとなっています。日本で芸能活動する際の表記は漢字の**城田優(しろた・ゆう)**で、これは父の姓「城田」と本人の名「優(ゆう)」を使ったもの。実は舞台やテレビで使っている「城田優」という名前は、本名の一部(父方の苗字と名)を日本式に書いたもので、芸名と本名は読みも意味も同じです。ただし本名には母方の姓が入るため、外国籍の名前らしさもあります。なお、音楽活動を行っていた時期にはアーティスト名として「U(ユウ)」を名乗ったこともありますが、基本的には「城田優」は本名をそのまま用いたものです。
父は日本人、母はスペイン人
城田優さんは父親が日本人、母親がスペイン人というハーフです。父の城田光男さんは日本の放送作家として知られ、テレビ番組の制作にも携わる会社員をされていました。一方、母親ペピー・フェルナンデスさん(本名はホセフィーナ・フェルナンデス氏)はスペイン(エストレマドゥーラ州)出身で、19歳で来日し日本人男性と結婚。後にタレントやリポーターとしてテレビ出演するなど活躍しました。ペピーさんはテレビ番組『ルックルックこんにちは』や『ここがヘンだよ日本人』などにも出演経験があり、個性派のキャラクターで知られています。このように城田さんは、父のルーツ(日本)と母のルーツ(スペイン)を併せ持つ国際的な家庭で生まれ育ちました。
出身地は東京、国籍はスペイン
城田優さんは1985年に東京都で生まれました。生まれは日本ですが、母がスペイン人であることからスペインの国籍も取得しています。法律上、日本とスペインの両方の国籍を持つ多重国籍者でしたが、成人後はスペイン国籍を選択。現在はスペイン国籍を保持しており、公式プロフィールでも国籍はスペインとされています。東京生まれのスペイン国籍という経歴は珍しい組み合わせですが、まさに父母両方の国籍背景を反映したものです。このため彼自身も「日本人でありながらスペイン人でもある」という複雑な立場を自覚しており、身近な例として大坂なおみ選手の国籍問題を引き合いに出すこともあります(大坂選手は日本とアメリカのハーフで、日本国籍を選択した例として)。
幼少期の過ごし方(バルセロナから日本へ)
幼い城田さんは、スペインのバルセロナで幼少期を過ごしました。2歳から約6~7歳までの間、両親とともにスペインで生活し、現地の保育園や幼稚園に通っていました。当時から音楽やダンス、演技が好きで、スペインのテレビで歌やお芝居に触れては「自分もやりたい」と夢を抱くようになったそうです。小学校2年生になる頃に日本へ帰国し、以降は東京都内で育ちました。帰国後は小金井市立の小学校・中学校を経て、堀越高等学校に進学。高校時代はすでに俳優活動を本格化させる一方で、家庭では母ペピーさんの影響でスペイン語を話すこともあったといいます。こうして日本とスペイン、両方の文化と言葉に触れながら育った城田さんは、自然とバイリンガルかつ国際的な感性を身につけていきました。
兄弟姉妹と母ペピー・フェルナンデス
城田優さんは、兄弟姉妹に囲まれた大家族で育ちました。母ペピーさんは5人の子どもを出産しており、城田さんは3番目の息子にあたります。兄には城田純(しろた・じゅん)さんがおり、モデル・デザイナー・歌手として活動しています。妹にはLINA(未来リナ)さんがおり、女性ボーカルユニット・Little Glee Monsterで活躍していたこともあります。ペピーさんは子育てに奮闘するシングルマザーで、タレント時代の経験を生かしながら厳しくもユーモアたっぷりに家庭を切り盛り。城田さんは大人になった今でも母親を深く尊敬しており、スペイン語で会話をするなど、時折スペイン文化を母と共有しています。また兄弟姉妹同士も仲がよく、家族ぐるみでお互いを支え合いながら成長してきました。
ハーフならではの苦労と支え
城田優さんはその独特な外見から、子どもの頃や芸能界入り当初には苦労した経験を語っています。幼少期は「外国人やハーフが珍しかった」ため、同級生から冷たい言葉をかけられたり、背が高く目立つことを理由に「外人」と呼ばれたりして辛い思いをしたといいます。13歳で芸能界入りしてオーディションを受け始めても、外見を理由に書類選考で落ちることが続き、悔しくて泣いて帰る日々があったと語っています。しかし、家族や周囲の理解ある仲間のおかげで挫折せずに乗り越えることができました。事務所のスタッフからは「必ずハーフの時代が来るよ」と励まされ、その言葉が大きな支えになったそうです。最終的に17歳で大きなチャンスをつかむことになったミュージカル『美少女戦士セーラームーン』の主役オーディション合格は、城田さんにとって大きな転機となりました。
名前とアイデンティティへの思い
城田優さん自身は自らの名前やアイデンティティについて、複雑な思いを語っています。「日本人とスペイン人、どちらにもなりきれない自分」という立場を率直に認めており、国籍やルーツにまつわる社会の反応には歯がゆさを感じています。例えばインタビューでは、大坂なおみ選手のように「日本人として称賛されるときだけ”日本人初”と言われる一方で、何か不祥事が起きると『やっぱり外人なんだ』と言われるのはおかしい」と指摘。その上で「どこに行っても完全な居場所はない」と複雑な心境を打ち明けています。また文化的な感覚については、自身の性格は「スペイン人寄りかもしれない」と話しています。日本人の慎ましやかな礼儀作法と比べ、スペイン人はもっと大胆でオープンに人と接する(例えば落としたハンカチを「拾ったよ!」と声をかけるような)といった違いを挙げ、「そういう面は自分の中にある」と語りました。城田さんは本名にも芸名にも誇りを持ちながら、両国にまたがる名前が示す自分自身の多文化的なアイデンティティを大切にしています。



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