シングルマザーとして娘を支えた日々
新山千春さんは女優・タレントとして活躍する一方で、一人の母親として長年娘を育ててきました。2004年にプロ野球選手の黒田哲史さんと結婚し、2006年に長女もあさんが誕生します。しかし残念ながら2014年に離婚が成立し、新山さんは8歳の娘さんを抱えてシングルマザーの道を歩むことになりました。当時は経済的・精神的にも決して楽ではない状況だったようですが、新山さんは「娘に寂しい思いをさせないように」と懸命に仕事と子育てを両立させていたといいます。離婚後は派手な暮らしを避け、あえて身の丈に合った質素な生活環境を選択しました。実は離婚後に引っ越した家は古くて狭い家だったそうですが、新山さんは「豪華な生活よりも、娘との時間を何より大切にしたかった」のかもしれません。その甲斐あって、娘さんは幼い頃からお母さんにたくさん遊びに連れて行ってもらった思い出が今も心に残っているといいます。どんなに忙しくても子どもとの時間を最優先する――そんな新山さんの姿勢が、娘さんの心に深く刻まれていました。
母娘の強い絆と「暗黙のルール」
新山さんと娘のもあさんとの間には、周囲も驚くほど強い絆があります。その秘密は二人で決めた**「家族に秘密はなし」という暗黙のルールでした。小学生だった娘さんには防犯用の簡易携帯電話しか持たせていなかったため、「約束の時間までに帰宅すること」を厳しく伝えていたそうです。「時間を守らないと心配だから、帰る時間は必ず守ろうね」と、幼い頃から新山さんは娘さんに言い聞かせていました。このように安全面に気を配る一方で、「お互い何でも話し合う」ことも徹底しました。嬉しかったことや悲しかったこと、小さな出来事でも必ず報告し合う――そんな習慣が母娘の間に根付き、どんな問題も二人で乗り越えてきたのです。実際、新山さんは仕事が夜遅くなって帰宅した日でも、娘さんが起きて待っていれば「今日あったこと聞かせて」と声をかけ、疲れていても耳を傾けてあげたといいます。お互いに本音で話し合える親子関係を築いていたことで、両親の離婚後も娘さんは大きな不安を抱えずに済みました。新山さんはシングルマザーとして「お父さん役もお母さん役も自分で買って出る」**覚悟で娘さんと向き合ってきましたが、娘さんは「お母さんはお母さんであって、お父さんだと感じたことはない」と語っています。新山さんはあくまで母親として愛情を注ぎ、祖母(新山さんのお母様)の助けも借りながら家庭を守ってきたのです。こうした丁寧な子育てが実を結び、母娘の信頼関係は揺るぎないものとなりました。
娘の成長と母としての思い
月日が経ち、娘のもあさんは順調に成長していきます。幼少期には新山さんの影響もあって芸能界の仕事(当時は「新山小春」名義で子役活動も経験)に触れる機会もありましたが、思春期になると自分の夢を見つけました。それが「ダンス」です。中学生の頃、世界的人気を誇る韓国のアイドルグループBTSに憧れ、自分もエンターテインメントの世界で活躍したいという大きな夢を抱くようになったのです。高校在学中から本格的にダンスに打ち込み始めたもあさんに、新山さんは「本当に大学に行かなくて大丈夫?」と心配しつつも、最終的にはその夢を全力で後押ししました。「一度しかない自分の人生。お世話になった方々への感謝の気持ちと謙虚さを忘れずに、自分の道を楽しんで進んでいってほしい」と、新山さんは娘さんにエールを送り続けています。高校卒業後、娘さんはさらなる刺激を求めて海外へダンス留学する決断をしました。ロサンゼルスや韓国へ渡航し、世界の舞台で通用するパフォーマーになるべく修行を積む娘さんの姿を、新山さんは誇らしく感じているようです。「信じて任せること」が母としての成長だったと新山さん自身も語っており、心配ばかりしていた自分が娘の挑戦を見守るうちに、次第に信頼して送り出せるようになったと言います。娘さんが夢に向かって羽ばたいていくことは、新山さんにとって少し寂しくもありながら、大きな喜びでもあります。
思春期の葛藤と母の恋
そんな思春期のころ、新山さん自身にも大きな転機が訪れました。長年シングルだった彼女が、新たな恋を見つけたのです。近年では出会いの手段も多様化していますが、新山さんは意を決してマッチングアプリに挑戦します。そして奇跡的に、13歳年下の一般男性と出会いました。お相手の男性は出会った当時アメリカ在住で、しばらくは遠距離恋愛を育むことになります。このロマンチックな展開に、新山さん自身も戸惑いや不安を抱えていましたが、それ以上に気がかりだったのは思春期真っ只中の娘・もあさんの存在でした。新山さんはお付き合いの当初から娘さんに「実はアプリで知り合った人がいるの」と正直に打ち明けていたそうです。しかし、いざ再婚を現実に考える段階になると、「娘が彼を受け入れてくれるだろうか」と悩む日々が続きました。高校生だった娘さんの心情を思いやり、「私なんかより彼にはもっと年の近い若い女性の方が幸せなのでは…」と新山さんが身を引こうと考えたこともあったといいます。実際、一度はお相手のことを想って別れを告げたこともあったほど、新山さんは母親として娘への配慮と自分の恋との間で葛藤しました。
一方、娘のもあさんも、最初は恋する母の姿に戸惑いを覚えていました。普段はすっぴんにラフな格好で家にいるお母さんが、デートの日にはおしゃれをしてウキウキしている――そんな「乙女」な母の姿を見るのは初めてで、「正直見ていられない…恥ずかしい!」と感じたこともあったそうです。些細な一言がきっかけで母娘喧嘩に発展することもあり、当時は反抗期だったことも重なって複雑な空気になる瞬間もあったと振り返られています。それでも、娘さんは心の内ではお母さんの幸せを願っていました。新しいパートナーと一緒に楽しそうに過ごす母の笑顔を見るにつれ、「お母さんがこんなに楽しそうなのは嬉しい」と感じるようになっていったのです。
再婚と広がる家族の幸せ
長女・もあさんの後押しもあり、新山千春さんは2023年11月についに再婚を発表しました。お相手は一般の男性で、新山さんよりも一回り以上年下ですが、お二人は5年間の交際期間を経てゴールインしています。実は娘さんもお母さんと一緒にアメリカまで足を運び何度か彼に直接会っており、その上で「ママには彼が一番お似合いだと思うよ」と太鼓判を押してくれたといいます。愛する娘からのこの言葉に、新山さんはどれほど救われたことでしょう。再婚を決意する上で、娘さんの理解と応援は何よりも心強い支えになりました。
再婚により家族の形は新たなステージへと進みました。新山さんは「焦らずゆっくり時間をかけて家族の形を作ってこられたのが本当によかった」と振り返っています。長い年月をかけて築いた信頼関係があるからこそ、新しい家族にも自然と温かな絆が芽生えているようです。娘のもあさんは当初、「お母さんがまた結婚すると聞いて複雑な思いもあった」と明かしていますが、今では**「幸せの源がひとつ増えて嬉しい」**と語るまでになりました。新山さんにパートナーができたことで、娘さん自身にも「お母さんを任せられる安心できる存在が増えた」と感じているそうです。実際、新山さんが再婚を報告したブログには娘さんとの仲睦まじい親子写真が度々登場し、ファンからも「理想の親子」「素敵な家族」と温かいコメントが寄せられています。
再婚後のエピソードには、微笑ましいものもあります。例えば、新山さんと娘さんと新しいご主人の3人でリンクコーディネート(おそろいのファッション)をして写真撮影に臨んだ際には、「旦那さんは初めての撮影で少し緊張していた」なんてエピソードもブログで紹介されました。また、2025年3月には家族水入らずで娘さんの高校卒業と成人を祝い、「旦那さんがこだわって選んだ桜のメッセージカードに2人でメッセージを書きました!」と報告しています。桜のデザインのカードに込められた両親からの温かな言葉は、もあさんにとって何よりの宝物になったことでしょう。新山さんは「こんな時間もいいもので、忘れられない時間になりました」と綴っており、新しい家族3人で迎えた晴れの日の喜びが伝わってきます。
父への深い感謝と思い出の旅
自分が親になった新山千春さんですが、同時にひとりの「娘」として両親を大切にする気持ちも忘れていません。特に新山さんは実のお父様とのエピソードをたびたび語っており、その親孝行ぶりが話題になることもあります。2024年10月、新山さんは69歳になったお父様の誕生日に、サプライズで旅行をプレゼントしました。原宿でショッピングを楽しみ、箱根の温泉で癒やされ、長野の善光寺や白馬、さらに千葉の香取神宮まで――4日間かけて各地を巡る盛りだくさんの親子旅行となりました。この旅の様子を自身のSNSで報告し、「還暦祝いで一緒に行った沖縄旅行を思い出す」と当時を懐かしむコメントも添えています。実は新山さん、10年前のお父様の60歳祝いで沖縄旅行に連れて行った際、寝息を立てて眠る父の顔を見て思わず涙がこぼれたのだそうです。それほどまでに両親への感謝と愛情が強い新山さん。長年支えてくれたお父様・お母様に対し、「育ててくれてありがとう」という思いが溢れて涙したのでしょう。その投稿には「親孝行で素敵」「読んで泣いてしまった」と共感する声も上がりました。新山さんが家族思いな人柄であることが、このエピソードからも伝わってきます。
現在の活躍と新たな挑戦
再婚を機にプライベートが充実する一方、新山千春さんは現在も精力的に仕事に取り組んでいます。最近では子育て支援や家族の本音トークに焦点を当てたバラエティ番組『秘密のママ園』(ABEMA)にスタジオゲストとして出演し、シングルマザー時代の苦労や再婚に至るまでの本音を赤裸々に語りました。また、NHK朝ドラ『カーネーション』への出演経験もあるなど女優としてのキャリアも豊富で、情報番組やバラエティ番組へのレギュラー出演も続けています。その明るい人柄からお茶の間でも根強い人気を誇り、テレビで見せる笑顔も家庭で見せる笑顔も変わらずに周囲を元気づけています。
さらに、新山さんは地元・青森への貢献にも力を入れており、青森市観光大使として故郷の魅力を発信する役割も担っています。プライベートでは、自身のYouTubeチャンネル「CHIHA ROOM」を開設し、趣味やライフスタイルについて発信する場を広げています。愛車のジープを紹介したり、同世代の芸能人とのトーク企画を配信したりと、フランクな人柄がにじみ出る動画はファンから親しまれています。さらに、自身がプロデュースするアパレルブランド「MEVOW(ミーヴ)」では、センスあふれるファッションアイテムを展開し、多才ぶりを発揮しています。
私生活では新しい命に恵まれることを願い、現在は不妊治療にも取り組んでいることを公表しています。再婚相手との間に子どもを授かることが新たな夢となり、仕事と治療の両立という大きな挑戦に向き合っている最中です。40代半ばを迎えての妊活は決して簡単な道ではありませんが、新山さんは「焦らず、できる限りのことを頑張りたい」と前向きです。長女のもあさんも「新しい家族が増えるかもしれない」と期待しつつ、お母さんの身体を気遣って支えていることでしょう。
おわりに:家族への愛を胸にさらなる未来へ
新山千春さんの人生は、家族と共に歩む温かな物語にあふれています。娘さんとの二人三脚の日々、勇気を出して掴んだ新しい幸せ、そして親への感謝と思いやり――どのエピソードからも、新山さんの家族に対する深い愛情が伝わってきます。シングルマザーとして奮闘した過去があるからこそ、再び手にしたパートナーとの日常や家族団らんの時間を何よりも大切にしているのでしょう。常に明るくポジティブな彼女ですが、その裏には並々ならぬ努力と葛藤もありました。それでも「どんな時も前向きに」というモットーで歩み続けてきた新山さんの姿は、多くの人々に勇気と感動を与えています。
現在、新山さんは母として妻として、そしてタレントとして新たなステージに挑んでいます。娘さんの成長を見守りつつ、自身も新しい夢に向かって進んでいる最中です。**「愛」「運」「縁」「恩」**という四つの言葉を人生の大切なキーワードとして挙げる新山さん。これからもその言葉通り、たくさんの愛に恵まれ、素敵な縁に導かれながら、周囲への感謝(恩)を忘れずに歩んでいくに違いありません。家族への熱い思いを胸に、輝き続ける新山千春さんの今後の活躍と幸せを、心から応援したいですね。
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